ネタとしては少し古いですが、HSBCシンガポールは、2019年から「Everyday Global デビットカード」というカードを発行しています。
これは、Everyday Global Account (以下EGA)といういわゆるマルチカレンシーの口座に残高がある場合、例えば、JPYの残高があれば、日本国内における日本円でのショッピングやATMでの現金引き出しにこのカードを使うと、直接そのJPYの残高から引き落とされるというもので、JPYを含む11通貨に対応しています(詳細はこちら↓)。
従来のカードでは、日本で買い物やATMからの引き出しをした場合、せっかくJPYの口座に残高があってもSGDの残高しか使えず、このSGDが自動的にJPYにコンバージョンされて引き落とされる形でした。
しかも、SGD→JPYのコンバージョンに関わる為替レートのマークアップ(上乗せ)は、3%程度もあるのです。為替の世界で3%ものマークアップは「勘弁して・・」というレベル感ですので、長らく発行を期待していたカードでした。
今回、その待望のカードを取得しましたので、アクティベートのやり方を含め、ご紹介します。
1.カードの申請
EGAの口座を持っている場合は、HSBCシンガポールのHPから直接申し込みが可能です。
2.カードの到着
申し込みから、3週間ほどでカードが届き、その4日後にPINを記載した郵便が届きました。いずれもAIRMAILでコロナ下の環境を考えると、早い到着かもしれません。
カードは、アクティベーションをしないと使うことができません。HSBCシンガポールでは、Webで完結できる香港等とは異なり、カードのアクティベーションは、コールセンター(自動応答)へ電話するか、書類を記入して郵送する方法しかありません。速やかなアクティベーションを求める場合は、電話一択となりますが、電話での流れは概ね以下のとおりです(プレス・ハッシュキーという場合は続けて「#」を入力)。
・カードのアクティベーション or 海外利用設定は「1」を入力
・カードのアクティベーションは「1」を入力
・送られてきたカードの番号(16桁)を入力
・登録の携帯電話のSMSに6桁のPWが送られてくるので、これを入力
・リスク等の説明があり ※以下はちょっと曖昧です。ご注意を!
・ショッピングと海外ATMの両方使う場合「1」を入力
・本日から使用する場合「#」を入力し、確認の「1」を入力
これでアクティベーション完了です。
なお、カードのPINは、シンガポールにあるHSBCのATMを使わない限り、変更はできません。
※2022.4.6追記
電話の自動応答内容&流れは、上記とは変わってきているようです。以下の記事をご参照ください。
このようなマルチカレンシー対応型のカードがあれば、海外を行き来する人にとっては、大変便利です。
旅行時のショッピングや現地通貨引き出し時のメリットはもちろんですし、例えば、「シンガポールに駐在していて、給与をSGDで受け取り、受取口座をHSBCシンガポールにしていた、帰任が決まったけれども、残高がそれなりに残っている」なんていう方にも、使い勝手がありそうです。
従来であれば、「帰国直前にその時のレートでJPYに両替し、日本の銀行へ慌てて送金」あるいは「日本に帰ってからレートの良い時を見計らって少しずつ出金、ただし常に3%ものマークアップを取られる」という方が結構いたのではないでしょうか。
このカードがあれば、帰国してからレートの良い時に口座内で一括してJPYに両替し、その後余分なマークアップなしで、少しずつ出金するというような使い方ができ、為替のリスクや費用を極小化できます。
次回は、実際のカードの利用について、ご紹介したいと思います。