ご存じのとおり、HSBCや中国銀行など海外の金融機関が発行する各種のカードは、日本国内のATMから、日本円での引き出しが可能です。
このサイトでも何度か引き出しの手順や要する手数料などを掲載してきましたが、情報が古くなっている可能性があることや、もう少し網羅的にお見せした方が分かりやすいのではと考え、今回、あらためて国内ATMの引き出し手数料を調べてみました。
なお、2025年3月8日に内容を追記・訂正しています。
すべての銀行のATMを調査することはできませんし、使用するカードも絞らないと大変ですので、今回は、以下を対象としています。
◆対象ATM
◆対象カード
・VISA(HSBCシンガポールPremier:Everyday Global デビットカード)
・Mastercard(HSBC香港Premier:Mastercard デビットカード)
・銀聯(HSBC中国キャッシュカード、中国銀行キャッシュカード)
三菱UFJ銀行や三井住友銀行などは、海外発行カードの引出限度額やATM手数料などをサイトで明記していますので、必ずしも、すべての組み合わせを実地検証したわけではなく、一部は、そういったサイトからの転記や推察を含みますが、現時点における国内ATMの手数料は、以下のとおりだと思われます。
※以下赤字部分は、2025年3月8日に追記・訂正・削除した部分です。
ただし、ここで十分ご注意いただきたいのは、ATM手数料のみで、引き出しコストの優劣を計ることはできないという点です。
詳細は後述しますが、読者の方の指摘により、本記事を作成した時点では、気づくことのできなかった「隠れコスト」が存在している可能性があるためです。
三菱UFJ銀行ATM | VISA | Mastercard | 銀聯 | |
引出限度額 | 磁気カード | 5万円 | ||
ICチップ | ||||
手数料 | 1万円以下 | 110円 | 無料 | |
1万円超 | 220円 |
三井住友銀行ATM | VISA | Mastercard | 銀聯 | |
引出限度額 | 磁気カード | 5万円 | 3万円 | |
ICチップ | 10万円 | |||
手数料 | 1万円以下 | 110円 | 75円 | |
1万円超 | 220円 |
セブン銀行ATM | VISA | Mastercard | 銀聯 | |
引出限度額 | 磁気カード | 3万円 | ||
ICチップ | 10万円 | |||
手数料 | 1万円以下 | 110円 | 無料 | |
1万円超 | 220円 |
イオン銀行ATM | VISA | Mastercard | 銀聯 | |
引出限度額 | 磁気カード | 5万円 | ||
ICチップ | ||||
手数料 | 1万円以下 | 無料 | 75円 | |
1万円超 |
さて、前述した「隠れコスト」ですが、上記ATMのうち、現時点で確認できているのは、以下のとおりです。
いずれも銀聯カードを使った引き出しで、「換算為替レート=銀聯が公表しているレート」である前提とし、中国側の銀行が公表している「境外手続費(海外手数料)」を考慮した後の結果です。
→5万円の引き出しについて、469円のコストが乗っている(2024年1月&2月に確認)
※2022年6月以前は、110円のコストが乗っていた
→10万円の引き出しについて、133円のコストが乗っている(2025年2月に確認)
これらのコストは、5万円や10万円という日本円の引出額に乗せられ、その後、中国側の銀行で人民元へ換算されているように見えるため、日本のATM側で徴収された費用のように見えますが、三菱UFJ銀行もセブン銀行も、ATM手数料のみならず、いかなる名目の費用も取っていないと主張しており、非常に不可解なコストです。
現時点では、これ以上の情報がなく、この「隠れコスト」を誰が何の名目で取っているのかは不明としか言いようがありませんが、少なくとも、以下のようなATM手数料のみの目線での優劣判断は危険と判断し、お詫びの上、以下文言は削除いたします。
上記に基づくと、ATM手数料目線から見たそれぞれの優位性は、以下のようにまとめられるのではないでしょうか。
※海外側でかかる手数料や為替レートは考慮していません。
◆銀聯(HSBC中国キャッシュカード、中国銀行キャッシュカードの場合)
→ICチップ付のカードの場合、10万円まで引き出しが可能で手数料が無料となるセブン銀行がお得。磁気カードの場合は、5万円まで引き出しが可能で手数料が無料となる三菱UFJ銀行がお得
◆VISA(HSBCシンガポールPremier:Everyday Global デビットカードの場合)
→イオン銀行は、手数料が無料となるが、5万円までしか引き出すことができない。セブン銀行は、10万円までの引き出しが可能だが、220円の手数料がかかる
◆Mastercard(HSBC香港Premier:Mastercard デビットカードの場合)
→10万円まで引き出しが可能で手数料が無料のセブン銀行がお得
今回の検証により、VISAとMastercardで、手数料が異なったり(セブン銀行)、両方とも手数料を取らないATMがあったり(イオン銀行)、やはり、実際に調べてみないと分からない点があって、興味深い結果でした。
もちろん、このような手数料は、常に更新されていくものですし、上記の結果が必ずしも正しいとは限りませんので、誤りがあったり、もっと優位性のあるATMがあるという場合は、ご指摘いただけると幸いです。
※3年前の以下の記事では、セブン銀行のATMで銀聯カードを使用した場合、110円の手数料がかかると記載しましたが、隠れコストの存在は認識したものの、少なくとも現時点では、ATM手数料はかからないことを確認しましたので、お詫びのうえ、訂正させていただきます。