今回は、HSBC中国のネットバンキングを使った人民元への両替のやり方について、ご紹介します。
ネットを散策してみたところ、意外と「人民元へのオンライン両替」に関する情報が少ないことに気づきました。
興味をお持ちになる方は、少ないかもしれませんし、活用する方にとっては、今さらの情報かもしれませんが、参考までに共有します。
1.手順
- 「我的账户」メニュー内の「转账」をクリック
- 「转出账户」で、両替元通貨の口座を選択
- 「转入账户」の「我的账户」をクリックし、両替先通貨(ここでは人民元)の口座を選択
- 「金额」欄に両替元通貨の金額を入力
- 「结汇资金属性/购汇资金用途」で、両替の目的・資金の使い途を選択
- 「条約や条件」等を読み、理解したことのチェックを行い、「提交」をクリック
- 確認画面が表示され、レートや両替金額が表示される
- レート等に問題がなければ15秒以内に「确认」をクリックし、両替完了
2.注意点・その他
ご覧のとおり、人民元へのオンライン両替は、年間5万米ドル相当額まで等の制限はあるものの、極めて簡単に行えます。
では、逆に人民元を日本円など人民元以外の通貨に両替する際は、どうすればいいかと言うと、一般の日本人の場合、ネットバンキングなどオンラインでは手続きができず、銀行の窓口へ出向くしかありません。
実際に両替元と両替先の口座を入れ替えて、手続きをしようとすると、以下のとおりメッセージが表示され、「中国の身分証もしくは永住ビザを持つ外国人」でない場合は、処理を進めることはできないようです。
このような一方通行の仕組みは、HSBC中国のみならず、私の知る限り、他の銀行でも同様のようで、中国という国家の為替管理戦略に基づくものでしょう。
このように、人民元という通貨は、極めていびつで閉鎖的な通貨であるため、安易に投資対象とするような通貨ではありません。外貨から人民元への両替は、簡単に行えるものの、それを元の通貨に戻そうとすると簡単にはいかず、「行きはよいよい、帰りは怖い」という正に債務の罠のような通貨なのです。
したがって、今回ご案内する内容は、あくまでも現地に在住する駐在員の方など、外貨で給与を受け取り、その外貨から人民元への両替が欠かせない方向けのものであって、出口戦略のないまま、不用意に日本円などを人民元に両替することを推奨するものでは全くないということをご理解いただけると幸いです。
ネットバンキングを通じた人民元へのオンライン両替ができるようになったのは、10年ほど前のことですが、「これであの糞のような銀行窓口での両替行列待ちから解放される」と感動を覚えたものです。
もし、まだ両替のために、支店窓口に並んでいるという方がいらっしゃれば、参考にしていただければと思います。