HSBC香港に口座をお持ちの方は、最近、「Upcoming changes on HSBC Online Banking」というメールを受け取られたかと思います。
この案内メールによると、以下3つのサービスは、10月からアプリでの手続きに移行され、PCのオンラインバンキングでは手続きできなくなるようです。
・海外ATM引出限度額設定(銀聯カード/クレカ)
・クレカのアクティベーション
・クイックトランスファーの設定
HSBC香港だけではありません。HSBC中国でも、同様の「アプリ寄せ」が進行しているようです。
HSBC中国のPCオンラインバンキング上で、定期預金の設定を行う際、以前は、「満期時の取扱い(自動更新か否か)」を同時に設定することが可能でした。
ところが、いつの間にか、その設定を行えるボタンがなくなっています。
尋ねたところ、「アプリなら設定可能」との回答でした。
なんということでしょう。定期預金の設定と満期時の取扱設定は、ワンセットであるべきなのに、「しれっ」と、必要な機能をPCのオンラインバンキングから消してしまい、自動的に「満期時は自動更新」とされてしまうのです。
「アプリでできるならいいじゃん」という声もあると思いますが、個人的には、アプリの使用には、いささか抵抗があります。特にHSBC中国のアプリは、頻繁にT&Cやプライバシーポリシーの更新とその同意を求められ、中身をよく読むと、IMEIコードをはじめ、色んな端末データを抜かれるおそれがあり、中華圏アプリ特有の怖さが否めません。
一方で銀行にとって、PCとモバイルアプリの2本立てでのサービス提供は、負荷が大きく、「アプリ寄せ」というのは、時代の流れでもあるのでしょう。おそらく、近い将来、PCのオンラインバンキングは、サービスそのものが消滅するような気がします。
私が、HSBCを使い始めた頃は、いろんなサービスが、オンライン上で完結できるようになる過渡期だったため、「こんなこともオンラインでできるようになった」と感動を覚えたものですが、これからは、少なくともPCのオンラインバンキング上では、逆の体験をしていくことになるのでしょう。
これは、PCのオンラインバンキングを使い続けたい私にとっては、サービスの利便性低下に他なりません。
また、「アプリ寄せ」とは関係はありませんが、以下でも記事にしたとおり、HSBCシンガポールでは、日本居住者によるオンラインを通じた投資商品の購入(定期預金設定も含む)は、できなくなっており、利便性低下は顕著です。
他にも、HSBC香港でも「マイナンバーを提出しないと、投資商品の購入は不可」など、以前とは環境が大きく変わってしまいました。税逃れ云々ではなく、中華圏の国にマイナンバーのようなセンシティブな情報を提出することに、かなりの抵抗を感じるのは私だけでしょうか。
そんなこんなで、アジア圏のHSBCも、以前とはかなりサービスを利用する環境が変わり、その利用価値や利便性は低下しつつあるというのが、率直な思いです。
やはり、潮時を迎えているのかもしれません...