今回は、HSBCシンガポールから、米国のFirstrade証券への送金手続きの事例をご紹介します。
なお、2021年12月27日に内容を修正更新しています。
米国の証券会社は、口座を開設するにあたり、米国居住者が保有するSSN(Social Security Number)の提示を求めてくることが一般的です。
Firstrade証券は、SSNがなくても口座開設が可能な数少ない証券会社のひとつで、現地に足を運ぶ必要もないことから、日本人を含む多くのアジア圏の人々に利用されている証券会社です。
口座を活用するには、まずは、原資を送金しなくてはなりませんが、Firstrade証券への送金の方法は、以下の3つがあります。
・ACH(国内決済センター送金)
・Check(小切手送金)
・Wire Transfer(電信送金)
ACH送金は、米国内にある決済センターを使った送金方法で、少し時間は要するものの、割安な送金が可能です。ただし、米国内の銀行からでないと、この方法は使えません。
また、Checkの小切手送金も米国に居住していないと利用できませんので、今回は、Wire Transfer(電信送金)を利用して、HSBCシンガポールより直接米ドルを送金することにします。
具体的な手続きは、以下のとおりです。
1.Firstradeでの送金先情報確認
まずはFirstradeのサイトにログインし、送金先を確認しておきます。
- 「Accounts」のタグから、「Deposit/Transfer」をクリック
- 「Deposit to Firstrade」の「Wire Transfer」を選択
- 「VIEWS:」の「International」をクリックすると、支払先の情報が表示される
- 「For Final Credit To:」で注意喚起されているとおり、送金時には、8桁の口座番号と口座名の補記が必須
- 白抜きの「WIRE TRANSFER INSTRUCTION」をクリックすれば、口座番号を含む詳細情報も参考表示される
オンラインバンキングの送金手続き画面に沿って、控えておいた送金先情報を入力します。
「Payee reference」欄へのFirstradeの8桁口座番号と口座名の入力は必須です。
これが漏れると、どの口座分の入金か分からず、送金が宙に浮いてしまう可能性があるためです。
- トップページから「Pay and transfer」のアイコンをクリック
- 次の画面で、送金元の口座を選択し、「Transfer to a new payee」をクリック
- 「To Payee type」が表示されるので、 「Overseas/foreign currency transfers」を選択し、「Contiune」をクリック
- (上記画面が表示されるので)項目に沿って、送金先の情報を入力または選択 ※下記画面に続く
- 同じく画面の項目に沿って、入力または選択
- 口座番号を入力することで項目が表示されてくる送金先の銀行情報は、Bank searchから検索&選択
- 「Payee reference」欄へのFirstrade8桁口座番号と口座名の入力は必須 ※長い口座名は切れてもOK
- すべての入力が終われば、アプリで生成するSecurity Codeを入力し、最下部のConfirmをクリック
- 次画面のReviewでの確認を経て、送金手続き完了
さて、この送金手続きに要した「送金手数料」「コルレス(中継)手数料」「着金手数料」は、それぞれいくらだったでしょうか?
答えは、すべて”ゼロ”です。
答えは、USD 30で、20日ほど後に差し引かれていました。「コルレス(中継)手数料」もしくは最終送金先の「受取手数料」と思われます。 ※2021.12.27修正追記
HSBCシンガポールは、オンラインバンキングやモバイルバンキングによる電信送金の手数料は、Waiveすると謳っており、送金手数料は無料です。
また、HSBCグループが使う米ドルのコルレスバンクは、HSBC USAですが、ここも中継手数料は取っていません。
そして、送金先銀行であるBMO Harris Bankも、着金時の手数料は取らないようです。
今回は、米ドルを米ドルのまま送金していますので、両替手数料もかからず、つまり、海外送金であるにも関わらず、完全に「無料」で送金ができたということになります。
上記の修正のとおりです。 ※2021.12.27修正
ちなみにオンラインで送金手続きを完了したのが、AM11時頃で、翌朝5時過ぎには、Firstradeより、「着金したよ」というメールが届いていました。
時差を考慮すれば、ほぼ当日中に着金したといってもよいでしょう。
「条件が揃えば」という前提つきではあるものの、特に資料も提出することなく、自宅のPCから、無料かつこの速さで海外送金が実現できるのは、素晴らしいことだと思います。
上記の修正のとおりです。 ※2021.12.27修正
最近では、WiseやRevolutなどコストをかなり抑えた海外送金サービスも登場してきていますが、既存銀行でも、これらを上回るサービスが提供される場合もあるという一つの事例として、参考にしていただければと。
上記の修正のとおりです。 ※2021.12.27修正
なお、WiseもRevolutもFirstradeへの直接送金には、使えないようです。
かなり時間が経過してから、手数料を控除されるというのは、納得しにくいですが、ありのまま、修正更新しました。 ※2021.12.27追記