今回は、「なんとかPay」ではありませんが、キャッシュレスならぬカードレスの便利さとその使い方をアユタヤ銀行(Krungsri)の事例でご紹介したいと思います。
カードレス引き出しとは、その名のとおりキャッシュカードを使わず、モバイルアプリで表示されるPWで、ATMからの現金引き出しができるというサービスです。
日本でも住信SBIネット銀行などを初め、既に同様のサービスを導入している銀行もありますが、使ってみるとかなり便利なサービスであることが分かります。
特にタイにおいては、キャッシュカードを利用するうえで、
・カードのATM飲み込まれ事件が頻発
・維持コストが必要なカードが多い
という問題があります。
タイに限らず日本以外の諸外国では、ATMから現金を引き出す際に、先に現金が出てきて、その後微妙な時間差でキャッシュカードが戻ってくるというATMが少なくありません。
これにより、うっかりキャッシュカードを取り忘れてしまい、そのままキャッシュカードがATMに飲み込まれて面倒なことになるというのは、タイで生活をすれば、誰もが一度は経験する「あるある」です。
また、タイでは、キャッシュカード(デビットカード)は、発行手数料に加えて年会費がかかるケースが多く、例えば、アユタヤ銀行(Krungsri)のスタンダードな「Krungsri Debit Card」では、THB 200(約680円)の年会費がかかります。
そのうえ、カードの更新時に新しいカードが自動的に送られてくることはなく、自ら支店に出向いて、新たな発行手続きを行わなくてはならないなどの手間も必要です。
カードレス引き出しを利用することで、スマホを携帯していればカードを持ち歩かなくて済むという便利さに加え、これらの諸問題?から解放されるというメリットもあります。
アユタヤ銀行(Krungsri)におけるKrungsri Cardlessの利用の流れは、以下のとおりです。
1.KMA(Krungsri Mobile App)での手続き
まずはアプリ側でPW(withdrawal code)を取得します。
カードレス引き出しの限度額は、THB 30,000/回、THB 100,000/日です。
- トップページの「Krungsri Cardless」をタップ
- 引き出したい金額を選択し、「NEXT」をタップ、または「Enter Amount」をタップして任意の金額を入力
- 次画面で内容を確認して、「Confirm」をタップ
- 次画面で6桁のPW(withdrawal code)とPWの有効残時間が表示されるので、この情報を持ってATMへ
2.ATMでの手続き
PWを取得してから5分以内にATM側で引き出し手続きを行う必要があります。
- トップ画面の右下にある「Cardless ATM」を選択し、次画面で言語を選択 ※上記画面では省略
- 次画面で「Krungsri Cardless」を選択 ※Krungsri Cardless Withdrawalと表示されている場合あり
- 次画面で登録済みの携帯電話番号を入力
- 次画面で指定済みの引き出し金額を入力
- 次画面で6桁のPW(Withdrawal code)を入力すれば、現金が出てくる
アユタヤ銀行(Krungsri)では、セキュリティのためか、携帯電話番号や金額をATM側で改めて入力しなくてはなりませんが、他の銀行では、ATMで表示されるQRコードを読み取るだけでOKというところもあるようです。
いずれにしても、キャッシュカードの携帯や使用はセキュリティ的にもリスクを伴いますので、カードレス引き出しにすれば、そのようなリスクも極小化できます。
また、夫婦でひとつの口座を共同で使っている場合など、現物カードとカードレスを併用するといった便利な使い方もありますね。
もっとも、すべてをモバイルスマホに集中させれば、それだけ便利になる一方で、スマホの紛失や盗難、故障時には、一瞬ですべてにアクセスできなくなるというリスクも背負うことになります。
そのあたりのリスクも考えながら、バランスよくカードレスを活用していきたいものです。