中国銀行(BOC)の銀聯カードを使った日本円の引き出し ※2022.9.13に内容追記

世界中で現地通貨の引き出しができる銀聯カードですが、今回は、日本での中国銀行(BOC)の銀聯カードを使った日本円引き出しについて、ご紹介します。

なお、2022年9月13日に内容を追記しています。

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インバウンド観光客の増加にあわせて、銀聯カードを中心に海外発行カードを利用できるATMも増えていますが、ATMによって、手数料や引き出し限度額が異なります。

メジャーなATMで言えば、銀聯カードの利用に関わる手数料等は、以下のとおりです。

 

セブン銀行: 110円(1回の限度額→ICカード10万円/磁気カード3万円)

イオン銀行: 75円(1回の限度額→5万円)

・ゆうちょ銀行: 110円(1回の限度額→5万円)

三菱UFJ銀行: なし(1回の限度額→5万円)

三井住友銀行: 75円(1回の限度額→5万円)

みずほ銀行: 105円(1回の限度額→5万円)

・PRESTIA(SMBC信託銀行): なし(1回の限度額→500米ドル相当)

 

三菱UFJ銀行やPRESTIAは、現地ATM側としての手数料は不要ですので、優位性があります。

 

なお、中国側で徴収する手数料については、銀行によって、かなり異なってきます。

マイナーな銀行の中には、海外ATMを利用しても一切手数料を取らない銀行もあるようですが、中国銀行(BOC)は、引き出し額の0.5%(最低15元、最高50元)の手数料がかかり、残高照会のみでも、4元の費用が徴収されます。

※上記の手数料水準は、2022年11月15日に変更(値上げ)になります。詳細は以下記事を参照ください。 2022.9.13追記

aisan-bank.hatenablog.com

 

HSBC中国は、引き出し額の1%+20元の手数料がかかるため、やや割高です。ただし、残高照会のみであれば、費用はかかりません。

以下の中国のサイトには、銀行ごとの細かい手数料が掲載されていますので、ご参考まで。

银联借记卡境外ATM取现手续费一览表 -- 快易理财网

 

これらを踏まえると、中国銀行(BOC)の銀聯カードを使って、三菱UFJ銀行のATMから引き出すという選択が、比較的費用を抑えることができるやり方になるため、今回は、この方法で50,000円の引き出しにトライしてみました。

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結論から言えば、50,000円を引き出すのに、以下のようなコストがかかったことになります。

・現地ATM側手数料=ゼロ

・中国側手数料=15元(約270円)≒0.5%

・為替レート=銀聯発表レート+0.61%

 

引き出し金額の50,000円に対し、ざっと1.1%(約550円)のコストがかかったということで、まあまあというところではないでしょうか。

ちなみに銀聯の為替レートは、毎日北京時間の11時(日本時間12時)に更新されますので、「昨日よりも円高になっていれば、その前に、円安になっていれば、その後に」引き出しをすると、僅かですが、おとくになります。

銀聯のレートは以下で確認ができます。

m.unionpayintl.com

 

以前に比べて、難易度は上がってきているとは思いますが、現在でも大陸で銀行口座を開設し、人民元に両替、定期預金や投資信託などで運用するといった行為自体は、さほど難しいものではないと思います。

難しいのは、その資産を引き上げることです。

 

中国現地では、人民元から外貨への両替には、様々な制約や資料の提出が必要になる場合があり、日本円に戻して日本に送金するという作業は、簡単とは言えません。

「行きはよいよい、帰りは・・・」なのです。

 

そんな中で、銀聯カードを使った現地通貨引き出しは、費用対効果を考えると、悪くない資金の引き上げ方法です。

年間10万元までとか、1日2万元までなどの制約はありますし、日本円で1,000万円といった大きな金額の引き上げは難しいですが、比較的少額の人民元を日本円に戻していく手段としては、最良の方法のひとつと言えるのではないでしょうか。